ペルソナ設計は商品化を行う際にその対象を絞り込む方法となっており、具体的な商品の利用イメージを作る上で効果的なものとなっています。具体的な人格やその行動パターンを予測することで、商品の利用イメージを推測しやすくなり、細かなものまでその機能を想定して開発を行うことが可能となるのは最大のメリットです。しかしペルソナ設計は具体的な人物像を想定するものであるため、その人物像が実際には顧客のどの程度に適合するのかを常に意識しなければなりません。多くの顧客が望んでいない使われ方をペルソナ設計で生み出してしまうと、市場ニーズに適合しない商品になってしまう危険性があるためです。
これを避けるためにこれまでのマーケティング手法では、様々な顧客ニーズを分析する中でできるだけ多くの顧客が要求している内容を抽出し、その要素を盛り込むことが必要となってきました。しかし数多くの顧客ニーズを取り込むことで細かな部分での齟齬が発生し、商品が的外れなものとなってしまうリスクも存在していたのが実態です。ペルソナ設計ではこれを避けるために具体的に商品が適合する人格をあらかじめ設計し、これに合わせて商品開発を行うのが特徴となっています。ペルソナ設計ではこの人格像を明確にしながら、同時に市場のニーズの中でできるだけ多くの顧客が持っている要素を上手に取り込むことが必要となります。
そのバランスを適切に判断することが、最も重要なポイントです。